CPA
日本で生まれ育った13年間は兵庫県神戸市と山口県下関市、14年目からは埼玉県。アメリカ在住30年。アメリカはシアトル8年。シアトルでCPAになる。マイアミで22年、そのうち20年は現在の会計事務所の経営。日本人のビジネス確定申告、起業サポート、経理アウトソーシング、個人のアメリカ確定申告をサポート。特に近年の傾向では、グリーンカードを放棄して日本へ帰国なさる人、日本にある金融資産の報告、二重国籍の方のアメリカ確定申告などが多くなっている。趣味は水泳。
●老後は日本で、そこで問題になるのがアメリカ市民権や永住権への対応です。何故なら日本は二重国籍を認めていないため、時間とお金をかけなければ日本人に戻れません。一方永住権者の場合放棄の手続きをしなければ一生アメリカの納税者としての立ち場が残り、毎年アメリカへタックスリターンをする必要が残ります。
●永住権者が永住権を放棄したい場合、永住権に関しては帰国後移民局に永住権放棄の申請を出すほか(I-401)、帰国準備中に各種リタイア―メントアカウントを持っている人は支払予定口座にW-8BENを提出、税金に関しては、帰国後IRSに最終納税報告書である8854フォームを提出する義務があります。然し多くの人は854のフォームを提出しない為後で大変な目に会うことになります。
●過去15年のうち8年永住権を保持している人は、IRSにより出国税を支払う立場の人と推定され(Covered expatriate)、8854フォームを提出する義務がありますが、若しそれをしないと1万ドルの罰金が科せられ、8854フォームも提出しなければいけません。
8854フォームを提出して初めてアメリカの納税者としての立場が完了し、巷言われるように$2,350の出国税を払えばすべてが完了、アメリカの納税者の立ち場がなくなったわけではありません。
●IRSはCovered Expatriate かどうかの判定に下記の3つのテストをおこないます。
- Net-Worth Test:$2ミリオン以上の資産保有者かどうか
- Net-Income Tax Liability Test:過去5年の所得税申告内容に問題はなかったか
- Non-Compliance with Taxes:過去5年の納税申告に問題がなかったかどうか
3つのテストの一つでも該当すると、その人間はCovered Expatriate として出国税支払義務者とみなされることになります。
●Covered Expatriate と認定されると、申告内容が精査され、場合によっては課税されることになります。
●但し全てのCovered Expatriateが課税されるわけではなく例外も用意されております。
- リタイア―用プランを持っていない(トラストやtax-deferred investmentsを持っていない
- 例外規定に該当するケース
●Covered Expatriate による面倒を無くすためには予め永住権放棄の為のpre-exit tax planning を準備しておくことが重要です。
●Pre-Exit tax planning とは、具体的には一体どうしたら良いのでしょうか。
●今回はこのあたりに詳しい尾崎真由美CPA をお呼びし、このあたりを学びたいと思います。永住権を放棄された方、これから放棄を考えておられる方、是非ご参加ください。