今月のテーマ

第47回:二重国籍者が直面する問題色々

2025年2月14日 (土)18時~20時
 
蓑田透先生 ライフメイツ

蓑田透


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Email:minoda@life-mates.jp

(株)ライフメイツ
社会保険労務士事務所代表
帰国コンサルタント
03-6411-8984 (東京)
213-327-8650 (LA)

 
専門分野:
1. 在留邦人向け日本帰国時の手続き代行、相談
2. 行政、金融等専門的国際手続き代行、相談
3. 各種年金に関する手続き代行、相談
4. 日本在住の老親や帰国者の生活サポート、終活

●結婚は入籍と言った法律行為があって婚因関係が発生します。婚因期間中には婚姻による権利と義務が発生します。あたり前の事です。それと同じように、アメリカ国民に成るとは、法的に国籍を取得することにより発生します。アメリカの国籍を取得するとアメリカ人としての権利と義務が発生します。当たり前の事です。

●或る日素敵な人に出あって結婚しようと思えば、まずは離婚しなければいけません。離婚は法的手続きを経て前婚姻関係を解消できます。つまり、

  1. 二重国籍者はアメリカ人であり、アメリカ人としての権利と義務を有している
  2. アメリカ人としての国籍を放棄しない限りアメリカ国籍から離脱できないのです。 


●二重国籍者とはこういう問題を抱えた人と言うことになります。

●一部のアメリカ人はこういった煩雑さを嫌って、また、新たに選択した国が二重国籍を認めないため、アメリカ国籍を放棄するようで、2022年には2,390人、2023年には5,315
人がアメリカ国籍を放棄しております。


●では具体的に二重国籍者はどのような煩雑さ・問題に直面しているのでしょうか。

滞米中

  1. 毎年税申告で海外資産を報告する義務がある(例:日本での遺産相続、日本での収入)
  2. 国籍離脱を申請、それが認められて初めてアメリカ人でなくなる
  3. IRSでアメリカ国籍離脱が認められない場合、ずっとアメリカへの納税義務が継続する
  4. 脱税の為の国籍離脱は認められない
  5. 配偶者死亡による遺産相続は$13.9ミリオン迄非課税。但し市民権放棄の際に、出国税の対象になってしまう。

IRSへ市民権放棄に伴う納税義務終了報告 
●過去5年間のタックスリターンがIRSにより精査される
●もし下記のどれかに該当すると出国税が課税される

  1. 市民権放棄日現在$2ミリオンを超える資産を持っている場合(海外資産を含む金額)
  2. 過去5年間年収平均が$19万を超える場合
  3. 過去5年間に納税義務違反があった場合(脱税・日本に存在する金融資産の不報告等)

 

日本帰国後

  1. アメリカ人としてビザなし渡航は3け月、それ以上の滞在には在留許可が必要。アメリカ人が永住の場合、永住権の申請か日本人への帰化申請が必要。外国人はそれらアジャストがなされない限り日本の公的扶助・特典を利用できない場合もあります。(但し:国民健康保険・介護保険は可、生活保護は不可)
  2. 規則を破り起業したり就労して金が動くと日米の金融の眼がひかっており、その事実
    が分かると、口座の差し押さえが起きる可能性があります。
  3. アメリカ人であった時の犯罪にかんしアメリカはアメリカへ強制送還を強制できる
  4. 養育費などはアメリカ人の国籍を放棄しても追跡されます
  5. ソーシャルセキュリテーベネフィットはアメリカ国籍放棄後でも受け取れます


    ●今回は現在日本引き上げをお考えの二重国籍者、詰まりアメリカから見るとアメリカ人である方が陥りやすい錯覚と具体的対策についてのセミナーになります。興味のある方・必要のある方は是非ご参加ください。

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