| ではその見方の差はどこから生じるのでしょうか。現状把握の差、そこからはじまります。 物事の理解の程度は人によって全て異なってきます。問題点を把握しながら見れる人、漠然と現象のみに目を奪われその本質を見れぬ人、色々おりますが、自分の立場を持たない人はどう理解して良いのかの視点を持たぬ為、折角のチャンスを活かしきれない事になります。 その無くてはならない視点、それが自分の立場、詰まり現状把握能力です。 然し気をつけなければならない事として、この現状把握能力は、今までの自分の体験や性格によって二通りの受け取り方があり，そのどちらの受け取り方をするかにより見方が変わってきてしまうという点です。貴方は一体どちらのタイプでしょうか。 一つのタイプは、自分の与えられた環境しか知らず，その環境の虜としてその中でしか物事を見れないタイプです。自分で自分の将来に蓋をしてしまった考え方に陥っている方です。彼の目からすると、現状は常にそのようなものであり、与えられた現状と違った見方をする事ができなかったり、現状以上、現状以外の有り方は危険な見方であり、夢想でしかない社会，そう言う反応をしてしまいます。したがって新たなチャンスを目前にしてもそれは無理な話、危険な賭け、不可能な事、馬鹿馬鹿しい話、ありえない話の程度にしか理解できず、今の自分の殻・レベル・可能性を突き破る自分へのチャンスとして捉えることができず、過去の自分・今の自分の延長線の立場を固持、折角のチャンスにも関わらず自分の未来を創り出すチャンスをつかみ損なってしまいます。惰性の犠牲者，固定概念の犠牲者，そう言う事になります。 もう一つのタイプは、自分のいたところがゆえに、将来の素晴らしさ、新しいチャンスの素晴らしさを理解でき，チャンスに対して積極果敢にそれをつかもうとする姿勢を持つ方です。一言で言えば成長・前進・脱皮必要の原点を持っている方ということができます。 例えば、先ほどドイツ人の方で、世界あちらこちらで青少年のための宣教活動や、麻薬中毒の人達を助ける為の家作りに一生を掲げている方の話をテレビでみました。彼の活動は彼が14歳から24歳まで麻薬中毒者であり、ありとあらゆる犯罪行為にのめりこんでいた彼の過去の生活体験の恐ろしさ・惨めさからの決別の必要とそこから抜け出た素晴らしい人生発見を動機に始めた活動で、今は牧師として活躍している方です。彼は自分の体験を通じ、そのような過去を持つ人もそこから抜け出す事が出きる、そのようなメッセージの布教、そして、具体的にそのような人々を収容・治療する場所を作ることになったのです。 貧乏な家庭に育ったが故それを打ち破ろうと努力、今ラジオキャスターとして成功した方、良い医者にかかれず親をなくし自分が医者になり自分のような悲しみを持たなくてもすむようにしたい、そう願って医者になった方、サラリーマン家庭に育ち親の苦労を見て育ち、自分は必ず人に使われないで仕事するのだと決意、起業し成功された方、私達のまわりには自分の体験から将来を夢見、それを達成された方が沢山おられるようです。そして面白い事に、そのような原点をお持ちの方は、昔の自分を否定したり拒否する事無く、昔の自分の立場にいる人々にとてもやさしく接しているという事です。 ビジネスにおいては、現象が一つでも考え方一つでその対応が変わってき、お陰で結果も全く異なってしまうようです。 例えば売ると考えるか、買って戴くと考えるかお客が拒否していると考えるか、それとももう少し私が納得出きるようにしてくれと依頼していると考えるか難しい仕事と感じるか、それともこれは面白いチャレンジだと感じるかお金儲けを目的と考えるか、それともお金とは仕事に対する評価、又、結果で有ると考えるか自分の仕事をみっともない仕事と考えるか、それとも社会が必要とする誇り有る仕事と考えるか競争を嫌がるか、それとも競争こそ自分の可能性を引き出してくれるチャンスと考えるか社員を雇っていると考えるか、社員に働いていただいていると考えるか苦情や批難を自分に対する攻撃と取るか、それとも自分を成長させてくれる愛の言葉ととるか 一つの現象、それに対する違った見方。それがどのような見方であれ、その見方がその見方に応じた結果しかもたらさない、それが事実です。もしそれが事実だとすれば、現状がどのような現状であろうが、明るい、希望の持てる、将来をもたらす事の出きる、そのような見方を持ちたいものです。 そしてその未来の現実化にあたり、今、そして今までの自分の体験を力強い原点、飛躍への原点として、フルに活用されん事をお祈りいたします。 |
一つの現象、違った見方。その見る目の違いが差をつける！
